与信の世界

今の世界経済は、与信という高度な人間の性質の上に成り立っているという。 どういうことかというと、例えば幼児がおもちゃを友達にあげるのと貸すのではどちらが難しいかといえば、貸すという行為のほうがあげてしまうよりもより高度で難しいのだそうだ。なぜなら、貸すという行為は相手を信頼して、必ず返却してくれるという判断が伴うからだ。 要するに、人間の性質として最も高度なものの一つである「貸す」という行為によって世の中の銀行は成り立っていて、私たちはその銀行を信用してお金を預けている。その銀行は、信頼できる企業や投資対象先にお金を「貸す」ことをして、その利息において利益を創出している。 ギリシャの国民は長年に渡り政府を信頼していたが、その信頼を裏切ったことによって取り返しのつかない状況に突如として陥った。そのギリシャを信用して国債を大量に保有しているユーロ圏の国々や、その他世界中の国々にまで壊滅的な影響が及んだのは今では言うまでもないことだろう。 ということは、信頼や与信というものが世界の社会基盤として成り立たなくなったという判断に至らなければならないのだろうか。そすると、一気に世界経済は破滅へと向かうことになってしまうことになる。。。そこまでにはまだまだ至っていないことを祈りたい。