美味しいもののジレンマ

ステーキや焼肉など、年々肉の消費量は日本だけではなく世界中で増加傾向にある。私も、肉は大好物なので、頻繁に摂取している。 世界の人口は増え続けていて、2010年が69億だったのに対し、2020年には78億に増加している。そうなると、それだけ大量の家畜を飼育する必要が出てくるのは容易に想像できる事実ではあるが、世間で語られることは無い。 現在、先進国での肉食の年間消費量は平均80kgになり、これは発展途上国でも増加傾向にある。2050年に世界の人口が91億まで増加するとすると、現在の約1.7倍以上の数の家畜が必要になるのだという。 もちろん、これも当然の事ながら連鎖的事実として家畜が増えれば畜産業から排出される温室効果ガスも増加する。もう少し言うと、そもそも世界の温室効果ガスの年間排出量のうち、畜産業から排出される割合が最も多いと言うのは、日本の中学受験を控えている小学生にとっては周知の事実だ。 ただし、世界中の農業用地の約70%が食肉を生産するために使用されているのだけれど、将来2倍近い数の家畜を飼育するスペースはどこにあるんだろう? 世界全体で排出される温室効果ガスのうち食肉生産の工程で排出される割合:18% (家畜のゲップに含まれるメタンガスや、排泄物の処理や輸送過程でも生じている) 人間が食肉から摂取するカロリー 1:3〜9 家畜が穀物飼料から摂取必要なカロリー