和して厳しく

日本発の“真のグローバル企業”は数少ない。その中でも、「シマノ」は自転車の変速機、ブレーキ、そしてハブなどの部品でグローバル市場の50%以上のシェアを誇る貴重な企業と言える。この偉業には、創業者である島野庄三郎の“和して厳しく”という「チームシマノ」の精神が活きているから成し得たと考える。

例えば、個人の力を「シマノ・リーダーシップ・ディベロップメント」のようなプログラムにより若いうちから教育し、海外へも社員を派遣し現場での経験を積極的に積ませている。そして、そのしっかりトレーニングを受けが個同士が自給闊達な議論を交わし協力試合ながら上司にいちいちお伺いを立てなくても意思決定も迅速に行える。

また、社内の公用語は英語だという。日本の外資系企業でも決して多くない英語環境を、トップダウンで整備することにより超グローバル企業に成長したのだ。事実、社員の8割近くが外国人で海外拠点も多数存在する。

シマノのDNAは、「技術、品質、信用」=「ブランド」として創業時から受け継がれており、それが「和して厳しく」というスローガンの下に実現されているのである。

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<シマノの歴史>
・1984年大阪堺市に農家の長男として島野庄三郎が生まれる。
・庄三郎が13歳の時、仁徳天皇陵の排水路の門を開き家から勘当される。
・叔母に引き取られ、15歳で刃物職人の従弟として働き始める。
・その後、自転車のギアを作る鉄工所などで働く。
・1921年の26歳の時に独立し「島野鉄工所」を創業(従業員3人)。
・創業当時から品質の評判は良く売上は伸びていた。
・値引きには応じず「1個でも不良があったら2個にして返します。」という
 ユニークな営業方法を貫いた。
・1951年にシマノ工業、1991年にシマノと社名を変更。
・庄三郎の子である尚三、敬三、喜三の3兄弟が歴代の社長を務めた。

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